歓喜の歌

あるとき、

「レモン風味を思いっきり味わいたい」と思い立ち

生地にはいつにもまして香り高いゼストをぜいたくに、

そしてしっとり感にフロマージュ・ブランを加え、

仕上げにレモンのコンフィをたっぷり散らし

Cake au citronを焼き上げました。

 

ふふ、なかなかの会心作。

 

レモン尽くしの幸せをにんまり味わう母親が気になったのか、

息子がちょっとつまみました。

 

すると

「あれ、レモン味っておいしいもんだね」と。

 

レモンの酸味や苦味が苦手な息子には

抑えて控えて敬遠されていたのが、

レモンを丸ごと摂りたいという貪欲な心意気で

むしろその良さが、その強みが、

すとんと伝わったようなのです。

 

自分の弱みの克服でなく「強みを伸ばす」ことに、

そして心から溢れる「歓び」こそに目を向け、

エネルギーを注ぐ。

 

すると

自ずと気分も好くなり満たされて

すると

自ずと周囲に優しくなり

すると

自ずと周囲からそのまた周囲へと軽やかな波動が伝わる。

 

もしかしたら

ついでに自分の弱みは

なりを潜めるかもしれない。

 

そうやって快い気分でいると

心に「歓び」が溢れ、

なんなら直感だって

閃くかもしれない。

 

もしも

世界中の人びとが

それぞれの強みを伸ばして

それぞれが歓びに生き

それぞれを慈しみ合えたなら

 

それは

誰も傷つかない最強の正義ではないでしょうか。

 

時空を超えて人類愛を高らかに謳いあげる

かの「第九」が

「歓喜の歌」と呼ばれることも象徴的です。

J. C. Friedrich von Schiller(シラー)の壮大な詩に
Ludwig van Beethoven(ベートーヴェン)が書き上げた
交響曲第九番 第四楽章

 

今日から師走。

 

日本の年末の風物詩「歓喜の歌」を聴きながら

あなたの強みを愛しんで頂けたら!

往来の難しい時節ではありますが、
欧州生活を希望される方やご興味のある方、
訪ねていらっしゃる方、在欧30年になる私で
お役に立てることがあれば、お知らせください>

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白乃ちえこ
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