おじさんの微笑み

「おじさん、おててどうしたの?」
左手小指の第一間接がない男性に
幼かった息子が湯船で尋ねた
一緒に銭湯に行ったじいじはやきもきしながら
身体を洗って様子を見ていたらしい
「犬に噛まれたんだよ」
穏やかに答えた男性の指をさすりながら
「おじさん、イタイイタイだったんだね
かわいそう」
そのとき
湯船に浸かった男性の優しい微笑みを
じいじは垣間見たらしい
いったい人はいつからそれぞれの路を
辿っていくのだろう
「おじさん、おててどうしたの?」
左手小指の第一間接がない男性に
幼かった息子が湯船で尋ねた
一緒に銭湯に行ったじいじはやきもきしながら
身体を洗って様子を見ていたらしい
「犬に噛まれたんだよ」
穏やかに答えた男性の指をさすりながら
「おじさん、イタイイタイだったんだね
かわいそう」
そのとき
湯船に浸かった男性の優しい微笑みを
じいじは垣間見たらしい
いったい人はいつからそれぞれの路を
辿っていくのだろう