あの朝の憶い

えもいわれぬ鉱石を抱く小石は
一体どれだけの年月を永らえてきたことだろう
この艶
この耀き
誰のためでもなく
自然が産み出した芸術である
これを私にもたらしてくれた人と
この生でまみえることは
きっともうない
それでも
小さくも確かな軌跡はこうして残る
たゆたう人の世にあって
人智を超えたこの石は
永遠に踏みとどまる
もしこの石にも記憶が在るのなら
あの朝の憶いを
たずさえていってはもらえないだろうか
えもいわれぬ鉱石を抱く小石は
一体どれだけの年月を永らえてきたことだろう
この艶
この耀き
誰のためでもなく
自然が産み出した芸術である
これを私にもたらしてくれた人と
この生でまみえることは
きっともうない
それでも
小さくも確かな軌跡はこうして残る
たゆたう人の世にあって
人智を超えたこの石は
永遠に踏みとどまる
もしこの石にも記憶が在るのなら
あの朝の憶いを
たずさえていってはもらえないだろうか