待降節に

アドヴェントと呼ばれる待降節が始まりました。
暗がりが垂れこめるからこそ
しめやかに華やぐ季節です。

ところが
今年は世界中の人びとにとって特別ないち年でした。

イルミネーションで輝くはずの街路樹も
心待ちにしていたWaihnachtsmarkt(クリスマスマーケット)も
会いたい人たちとの温かい語らいも
ことごとく制限されています。

とはいえ、日常も伝統もそこにあります。

ドイツ人のパートナーの家庭でずっと守られてきたように
Weihnachtskranz(クリスマスリース)を食卓に飾ります。

そこにはろうそくが4本あしらわれ
クリスマスから遡ること4週間の最初の日曜日に1本目、
次の日曜日に2本目、という具合に炎を灯してゆき
クリスマスまでの日々を過ごします。

年度末で仕事に追われ
学生たちは試験で忙しくなりますが、
贈り物の手配やらもみの木の誂えやら、
さらにはWeihnachtsgebäck(クリスマスのお菓子)を焼き
穏やかに心躍る毎日でもあります。

 

2020年12月は
これまで200年続いた「土の時代」から
「風の時代」への転換期だと聞き及びます。

少しでも大きく、少しでも多く、
物質を得ようとした時代から、

自分と向き合い、労わり、満たし、
心を寄せる人やものたちと
エネルギーを循環し続ける
そんな世界に移り変わってゆくと
信じたいと思います。

Weihnachtskranzが象る〇に終わりがないように
限りない流れの一部であるよう
「風」を見習って軽やかでありたい
そう願う師走の候です。

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白乃ちえこ
白乃ちえこ