おいしいもの

おいしいものがもたらす幸福感と言ったら!
がっつりしながら繊細なレバノン料理のお総菜と
甘酸っぱいピカリリを温野菜に添えて
赤ワインと愉しみました。
レバノン惣菜では、野菜や豆たちが驚くほど多彩な顔を見せてくれます。
グリルしたカリフラワーからはオイルと共に香ばしさがほとばしり、
揚げナスのあまりにも瑞々しい旨味に言葉を失い、
フムスは舌に絡みつきながらもさらっと滑らかで、
どうしたらこんなにもっちり仕上がるかというレンズ豆とクミンの芳香、
食べなれているはずのジャガイモがピリッとねっとりとすっかりよそゆきに仕上がり、
それらをそこはかとないスパイスやオリーブオイルのコクがしっかりと支えています。
まさに味覚とはハーモニーだと気づきます。
豆とオイルの存在感に圧倒されたら、
温野菜のおだやかな甘味とピカリリの酸味ですっきりして
その上に赤ワインの渋味で完全にリセットされるものですから、
また野菜と豆の交響曲第二章を愉しむわけです。
一緒に食卓を囲む家族や友人とのおしゃべりも弾み
夜は暮れてゆきます。
これを幸せと言わずに何と呼べましょう。