神社と浮世

生まれ育った家からほど近いこの神社は
昔ながらの商店やビルの合間に
こじんまりと佇みます。

奇遇にも母方の祖母の生家にも至近で
嫁いだ頃の母はこの地へのご縁に驚いたとか。
何しろ子ども時代の祖母は
境内の鳩と戯れていたかもしれないのですから。

そしてここは、アメリカとベルギーに住む
祖母にとってのひ孫たちには、
お宮参りや七五三をお祝いした
日本でのよりどころとも言える場所です。

樹齢千年説もあるという境内の銀杏は
祖母が子どもだった頃
落雷にあって大きな破損があったとか。
それでも、風薫る皐月から水無月の頃には
あらたに新緑の葉を身に纏っています。

ひとびとの営みを
どのように眺めてきたことでしょう。

都会の喧騒の中にあって
ぽつぽつと参拝する人が
絶えないこの神社。

これからも人の世を
見守っていってほしいものです。

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白乃ちえこ
白乃ちえこ